演歌、たとえば、津軽海峡冬景色を聞いて、
なるほどよくできていると思う。
細部にこだわるのではなく、
特徴を抽出して誇大に提示する。
これは「脳のなかの幽霊」で有名な、ラマチャンドランが書いていたのを
先日読んだのだが、概略をいうと、
たとえば、女性らしさを強調したいなら、女性から男性を引き算して、
残ったものを二倍にして表現すればいいというのである。
これはまさにアニメの世界である。
アイドルマスターで言えば、
演歌の過剰なわざとらしさが二倍くらいになっていて、
実におもしろい。
昔の人が歌舞伎をおもしろいと思うのはこんな感じかな。
茶の湯とか侘びさびの世界に比較すると、
歌舞伎はわざとらしさと過剰さとが二倍くらいなのだけれど、
それもまたおもしろいらしい。
茶の湯を好む人が歌舞伎を好むのが、不思議で、私にはおもしろい。