神田明神下 料亭 新開花

ずいぶん古い建物で

まるでわたしが昔下宿していた建物のようだ
耐震性能などたぶん不足していると思う
玄関ではお香が焚かれていて大変にわたしの好みである
たたきには水がきれいにまかれている
食事を運んでくれる人はみんな和服でこれもわたしの好みである
今日連れて行ってくれた先輩は難しい話で相手とあれこれ
ひたすら人脈の確認で適任者を探している
わたしは何となく隣で食事に集中していた
徹底的に薄味
中には魚に抹茶で味付けしてあるものもある
塩味が苦手のわたしにはとてもうれしい
そうなると素材をどのようにして確保するかが大変だと思う
多分個人的なルートがあるのだと思う
こんな場合は食器も大切な要素で
これにも工夫があった
箸は竹でできていて
お持ち帰りに包んでくれた
細くて繊細な箸
似たようなのが家にあるから
同じようなところで作ったものかも知れない
帰りには職人さんのような感じの人が無言でお辞儀をしていた
無口な職人というものはやはりわたしのあこがれである
たくさんしゃべっていいことはなかった
家に帰っても衣服にお香の香りが残っている