「パソコン上のデータもですね、短期間で自動的に消去されて復元できないようなシステムになってございますので、そういう意味では、パソコン上にも残っていないということでございます」
腰を抜かす国会答弁だ。発言者は、財務省の佐川理財局長。3日の衆院決算行政監視委員会で、野党議員から行政文書の電子データは残ってるはずだと指摘され、こう答えた。
森友学園問題で、「すべての記録書類を廃棄した」と言い張るなど、人を食った答弁を繰り返している佐川局長だが、さすがにこれは聞き捨てならない。大事な文書が消えてしまわないよう、パソコンの自動バックアップシステムがあるのは分かるが、短時間でデータが自動的に消去されるシステムなんて、聞いたことがない。
「スパイ大作戦」じゃあるまいし、本当にそんなシステムになっているのか。それであれば、いつから導入され、どのくらいの予算がついたのか。そのシステムはどこの会社が開発したのか――等、財務省に問い合わせ、質問状も送ったが、「この件について、たくさんの質問をいただいているので、すぐに回答することができない」(広報室)とのことだった。
「確かに会社(財務省)で使用している電子メールは一定期間を過ぎるとデータが消えてしまいますが、それはサーバーの容量の問題のようです。行政文書は省のメーンフォルダーに残すと思うのですが、それが短期間で自動的に消去されて、復元もできないようなシステムだとは知りませんでした。知らないうちに重要な文書が消えていたら困りますね。理財局だけは特別なシステムなのでしょうか」(財務省関係者)