16日、山本幸三地方創生担当相は会見で、「修正を指示したのは自分だ」と名乗り出た。いままで黙っていたのに、萩生田の名前が出た途端に、である。参院内閣委で修正した理由を聞かれると「他の地域につくらせないため」とまで口にした。他でつくらせないということは、ほとんど“加計ありき”だったことを認めたも同然になるのにだ。午後の参院予算委では、修正指示の質問が萩生田副長官に集中するのを見かねて、「私が決めてるんですから、私に聞いてください」と横やりを入れている。
■立件の可能性は?
山本大臣が萩生田副長官の防波堤になろうとしていることは明らかだ。内閣府が文科省に送ったメールには「指示は萩生田副長官からあったようです」とハッキリ書かれている。誰が見たって、萩生田副長官が指示したのは明らかだ。なぜ、萩生田副長官をかばうのか。
「明らかに安倍政権は、萩生田さんから目をそらさせようとしています。萩生田さんにメスが入ると総理にも直結するので、ヤバイと思っているのでしょう。あるいは、萩生田さん本人に重大な疑惑があるのか」(政界関係者)
この先、萩生田氏の問題はどう進むのか。萩生田副長官は加計学園と近いだけでなく、カネまで受け取っていた事実がある。いまでも加計学園の利害関係者だ。場合によっては、捜査のメスが入ることもあるのか。地検が関心を持つ可能性もゼロではないのではないか。
元検事の落合洋司弁護士は「刑事事件として立件するのは難しいでしょう」とするが、元大阪高検公安部長の三井環氏は「可能性はなくはない」と言う。
「一つは共犯での立件です。例えば、内閣官房参与だった現・加計学園理事で千葉科学大学長の木曽功氏と萩生田副長官の共犯です。木曽氏は学園から理事としての報酬を受けながら、文科省の次官だった前川喜平氏に『獣医学部の新設よろしく』と働きかけている。萩生田氏が木曽氏の“手足”となって、加計有利に便宜を図ったという構図です」
また、落選中に受けた客員教授の報酬と当選後の職務を結ぶことも可能だという。
「報酬を受けた時は公務員でなくても、公職に就いてから、その報酬に対する見返りとして便宜を図れば、収賄罪になる余地はあります」(三井環氏)